





日本で販売されている
インドネシア製の紙製品は、
先住民族の土地を奪い、
熱帯林を破壊して、
原料となる木材を調達しています。
日本で販売している海外製のコピー用紙のうち、
およそ7割はインドネシア製です。
日本で販売されているインドネシア製の紙製品は、
先住民族の土地を奪い、熱帯林を破壊して、
原料となる木材を調達しています。
日本で販売している海外製のコピー用紙のうち、
およそ7割はインドネシア製です。
熱帯林の減少は、
多様な動植物の命を奪い、
気候変動という地球規模問題に
つながります。

温暖化・・・?

『SDGs』を意識していますとか、
良いことを宣伝していた物だと
思うのだけど・・・
(CM とかで)

それは『グリーンウォッシュ』よ!

グリーンウォッシュ
『グリーンウォッシュ』とは、
企業が自社の製品やサービスを
実際より環境に優しいかのように装う
欺瞞的なマーケティング手法である。
日本では『植林』ときくと大変ポジティヴなイメージを持つのではないでしょうか。
砂漠化を防止するための植樹、荒廃地の復元、地盤の強化、生態系の保護といった『環境に良い』ことが頭に浮かぶでしょう。
しかし、地球上の全生物種の約半数が生息していると言われている『熱帯林』でとなれば話は別です。一度、伐採された熱帯林は『植林』をしようがしまいが、決して元の姿に戻ることができません。非常に繊細であると言われる生態系が破壊されるからです。
しかも、現地の紙製品を作っている企業たちは、多様な動植物が生息している熱帯林へ重機を次々と進入させて全てを破壊したのち、アカシアやユーカリなどの紙製品に適した単一外来種のみ植えているのです。

さらに、アカシアやユーカリは5 ~ 7 年サイクルで皆伐され、もはや森林といえる状況ではありません。

『植林』とは名ばかりで、紙製品用の木材調達が本当の目的なのです。
つまり、インドネシア製紙製品によく見られる『木を植えています』等の宣伝文句は、
熱帯林を破壊し、その跡地に『企業の商売原料となる木を植えている』のです。
『植林』や『SDGs』という言葉を用いて、いかにも環境に優しいかのように装うマーケティング手法に騙されてはいけません。



保護されるべき『泥炭地(でいたんち)』にも手を出しているの

泥炭地(でいたんち)
『泥炭地』とは、枯死(こし)した植物等が
水中で分解が進まないまま
何千年にも渡って埋もれ、
積み重なった土壌を含んだ湿地帯である。
地球表面の約3パーセントしか
面積を占めていないが、
世界中の森林よりも
膨大な量の炭素を貯蔵している。

『紙製品を作っている現地の企業たちは、より多くの木材調達のため『泥炭地』にまで手を伸ばしています。
水が多い泥炭地を植林地にするためには、まず『排水』を行わないといけません。 排水を行うと、土壌内に埋もれ積み重なっていた植物枯死体等の酸化がはじまり、二酸化炭素が発生します。
インドネシアの泥炭地は推定800 億トンの炭素を貯蔵しており、これは世界全体の土壌に貯蔵される炭素の約5 パーセントに相当することから、排水を行うたびに気候変動を引き起こす大量の温室効果ガスが発生しているのです。

炭素を含む植物枯死体の酸化がスタート

温室効果ガス発生

地球温暖化


『泥炭地』では逆効果なのですね・・・。

泥炭地での火災
排水により乾燥した泥炭地は、
火災に脆弱である。
大規模農園等にするべく排水を行い、不適切に管理された泥炭地は乾燥のため火災が発生しやすくなっています。
2019 年にインドネシアで起きた火災160 万ヘクタールのうち、50 万ヘクタールは泥炭地で起きたことが確認されています。
火災により膨大な温室ガスが発生し、シンガポールやマレーシアまで煙害が生じる国際問題にもなっています。

乾燥のため火災発生

温室効果ガス発生

地球温暖化と煙害


温暖化という気候変動を引き起こし、再生不可能な姿に変わり果ててしまうにも関わらず、今なお泥炭地における開発は続けられています。

守っていかないといけないのですね



私たちもその恩恵を受けているのよ
熱帯林と動植物の減少と薬
世界中で使われている
薬の原料の多くが、
熱帯林の植物から抽出されています。
熱帯林には地球上の全生物種の約半数が生息していると言われています。
そのような生物多様性の宝庫である熱帯林。その破壊が進むと、温暖化の問題だけでなく生態系の破壊も同時に起こります。過剰伐採や火災により、多くの動植物が姿を消しています。インドネシアの熱帯林では、トラ、ゾウ、サイ、オラウータン、サイチョウなど多くの動物が絶滅の危機に瀕しています。
熱帯林の多様な植物は、古くから薬の原料として利用されています。
実は現代医学で使われている薬の原料の25% が、熱帯林の植物から抽出されているのです。
その中には、がんの治療薬や新薬も含まれています。このまま熱帯林の破壊が進めば、新たな薬の開発にも影響が出てくることになるでしょう。





企業による土地収奪
木材調達のため、熱帯林に住む
先住民族の村は破壊され、
時に死者が出るほどの
暴力的な土地収奪が行われている。
熱帯林に住む先住民族の人たちは、古くから森林に生活や文化を深く結びつけて暮らしています。
狩猟生活を行う遊牧民や、米や野菜、ゴムなどを栽培して生活している村が数多く存在していました。
しかし、紙製品を作る現地の企業たちは、より多くの木材を調達するためにそこに住む先住民族の村をも、次々と破壊しています。
先住民族の納得を得られないまま重機を進入させ、その行為は死者が出るほど恐ろしく暴力的です。
かつて、先住民族が森林と共存しながら暮らしていた緑豊かなその地は、現在ではほぼアカシアやユーカリの植林地へと変わり果ててしまいました。
『ナパーム弾を落とされた
スルク・ボンガル村の悲劇』
2008 年12 月18 日。この日、植林予定地からの退去を拒んでいたスルク・ボンガル村に現地の企業が雇った700 人規模の武装隊(私兵・地元警察)が乗り込みました。
ヘリコプターからナパーム弾を落とし、およそ300 の家屋を焼き払ったのち、重機を進入させ、全てを破壊つくしました。
事前通達もない急襲に、パニック状態になった村では、2 歳の女の子が井戸に落ちて死亡、生後2 か月の赤ちゃんが火傷を負い死亡、また数名が爆撃被害に遭いました。
森林に逃れた約400 人が全てを失い、難民化を余儀なくされました。
『ナパーム弾を落とされたスルク・ボンガル村の悲劇』
https://jatan.org/archives/10420
『抵抗の果てに奪われる命』
土地を奪われたがゆえに、住民と現地企業の従業員(警備員等)の間ではたびたび衝突が起こっています。
2010 年には、現地の企業が切り出した木材をパルプ工場に搬入するのを阻止するため、約2000 人もの住民が漁船で乗り出しました。自ら河上で封鎖線を設置し抵抗したのです。しかし、企業側の貨物船は封鎖線を突破するべく動きを止めません。警察特殊部隊が発砲することを許し、その発砲により漁船に乗っていたアーマッド・アダムさんの額は撃ち抜かれ命を落としました。
2015 年には、インドラ・ペラーニさんという村の青年が殺されました。
ペラーニさんは、奪われた農地を取り返すために闘うグループの重要な戦力を担っていました。
土地を奪った企業が雇った警備員たちとの口論がきっかけとなり、ペラーニさんは口にT シャツを押し込められ、両足をロープで縛られ、全身を激しく暴行され亡くなりました。
インドネシア国家装甲部隊の狙撃手に額を撃ち抜かれ男性死亡
https://jatan.org/archives/3124
アカシア植林地で起きた悲惨な殺人事件
https://jatan.org/archives/3229








企業によるウソから始まる熱帯林への進出
企業による先住民族への土地収奪と熱帯林の破壊は、
『環境保全型開発事業』という名目のもとはじまった。
(1990 年代の事例)
1990 年代、インドネシアのパルプ工場計画とそれに伴うムシ・パルプ事業と呼ばれる産業造林計画は、日本とインドネシアの合弁事業としてはじまりました。
インドネシアの南スマトラ州、ムシ川流域の『焼き畑等の荒れ地』、約22 万ヘクタールにアカシアを植林することで緑化を目指し、また植林事業を有効活用するためパルプ工場を建設して輸出につなげるというプロジェクトでした。
荒れ地は、地力が低下し、下流域の洪水が懸念され、干ばつの原因にも考えられるため植林を行うというこのプロジェクトは『環境保全型の事業』として期待されました。
しかし、実情は大きく異なりました。現地先住民族からの問題提起を受けて現地視察を行うと、荒れ地と言われていた場所は、豊かな熱帯林が広がり、ゴム農園やパイナップル畑等、住民たちの生活の糧となる場所であったことが判明したのです。

住民たちは具体的な事業内容を知らされないまま『国の発展のため』と半ば強制的に安い値で土地を売らされました。
ゴム園からは1 日25,000 ルピア以上の利益( 家族が暮らすのにじゅうぶんなお金)がありますが、工場労働者になったら1 日4,000 ルピアにもならず、さらに毎日仕事があるわけでもありません。
子どもを学校に行かせることも困難となり、住民の大半が貧困に直面しました。

また川の水を生活水として利用している村も多く、工場の操業によって水不足や水質汚染への不安の声もありましたが、企業側から住民たちへの説明は一切ありませんでした。
さらにアカシアの造林地に転換するために、原生林だけではなく保護林までも一部無断で伐採されました。
このことが海を越えた日本では、荒れ地に緑を増やし、現地の貧しい人々の雇用にもつながるすばらしい事業だと思われていました。
しかし、現実は真逆でした。熱帯林は破壊され、豊かな人々は貧しくさせられたのです。

『環境保全』のためと言いながらも熱帯林を破壊し、人々の暮らしを脅かすこのような行為は、今なお繰り返し起きています。 そして、そのような背景で製造された紙製品は日本へ多く輸出されているのです。
インドネシア・スマトラパルプ問題ーこれまでの流れ
https://jatan.org/archives/8257



人を痛めつけて・・・

どうしたらいいの・・・

を使うことね
紙製品の選び方
その➀
古紙配合率の高い国内製造の再生紙を選ぼう
国内製造の『古紙100 パーセント再生紙』を選ぶことが、環境と熱帯林保護の観点から考えてベストです。
国内製造の場合、国内で使われた古紙だけをリサイクルして使用しているので新たな木材は使用されていません。
しかし、注意しなければならない
再生紙が2つあります。
➀ 古紙配合率の100 パーセントでないもの

➁ 海外製の再生紙
国内で回収された古紙100%で作られた再生紙こそが、熱帯林やそこに住む人々にもやさしい、『安心して使える紙製品』だと言えます。

もし見つからなければFSC 認証紙を使った製品を
探してみて

紙製品の選び方
その②
FSC 認証紙を選ぼう
生物多様性の保全、水資源の保護、地域の権利の尊重などが評価基準となり、違法材などが混入していないかを確認した上で認証されます。
厳格な審査と監視により、森林資源の持続可能な利用を保証し、環境や社会への配慮を求める信頼性の高い認証として、世界中で認知されています。
インドネシアの企業たちは、のどから手が出るほどFSC 認証を欲しがっています。しかし、彼らの行いから頑として認証は与えられることはありません。

見分け方はありますか?

ついているかどうかね。
探してみてね


この商品はFSC 認証マークがないみたい・・・

似ているけど違うマークがあったよ

色々と問題視されている認証よ

PEFC 認証の問題点
PEFC 認証(Programme for the Endorsement of Forest Certification)とは、
持続可能な森林管理を
推進するための森林制度である。
各国で相互認証を行うという仕組みのため
FSC 認証と比較するとその基準値は非常に緩い。
FSC 認証ほど厳格な基準を適用していないため、実際には森林破壊や先住民族の権利侵害といった問題が起きたとしても認証の審査をくぐり抜けてしまうこともあります。
インドネシアの製紙用植林地の大部分は熱帯林を破壊し、泥炭地を切り開いて造成され、土地収奪による未解決の紛争を抱えています。
それにも関わらずPEFC 認証を受けています。認証材が適切に流通しているかの監視が不十分であると問題視されています。

不安で使えないよ

ヨーロッパの多くの企業は、インドネシアの
PEFC 認証の紙製品を取り扱っていないの。


たくさん売られているわ


日本企業の責任
それでもインドネシア製紙製品を
販売し続ける日本企業の責任
日本においてもこの問題に向き合い、インドネシア製紙製品を取り扱わないと決定した企業もあります。しかし、依然として日本の多くの企業が、この問題を知りながら、今なお取引きを行い、インドネシア製紙製品を販売しています。
爽やかにSDGs や環境保護等の取り組みに意欲的であると宣伝しながら・・・。







熱帯林を守るために私たちにできること
古紙100%再生紙を選ぶ

FSC 認証の紙製品を選ぶ

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JATANについて
熱帯林を始めとした世界の森林の保全のために、森林破壊を招いている日本の木材貿易と木材の浪費社会を改善するための政府、企業、市民の役割を提言し、世界各地の森林について、生物多様性や地域の住民の生活が守られるなど、環境面、社会面において健全な状態にすることを目指しています。
